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2005年 05月 20日
「飛行場のある街に住んでいる」
なんだかとても素敵なひびきである。 何かの小説やドラマの舞台に出てきそうだし、きっとロマンチックな出来事が起こりそうな予感を誘う。 そして、実際もなかなかのものなのである。 5月の晴れた昼下がりにおにぎりをつくって近くの飛行場に出かるのは、この上なくすばらしいランチタイムの過ごし方である。 小さな飛行場の隣には公園があって、離着陸する飛行機を間近に見ることができる。 飛行場にはもちろん高い柵が回っているのだけれど、この公園には小高い丘がつくってあって、その上の石のベンチからは、飛行場全体が見渡せるようになっている。 当たり前のことだけれど、飛行場の空は広い。 このあたり一帯は米軍基地の跡地で、何十試合も同時に開催できる数の野球場や洪水時にはため池になる機能を兼ね備えたおおきなグラウンドや時々サーカスがやってくるような原っぱなど、広大な「何もない」敷地の上に大きな空が広がっている。 おにぎりを食べながら、小さなセスナがふらふらと、しかし大きな音を立てて離陸していく姿を眺める。 「あれに乗ってどこか遠くへ飛んでいけたらいいな」と思うのは、実際に飛行機に乗って旅立つ時の小さな不安感とは反対の、無責任で開放的な幸福を感じる、実にロマンチックなひと時だ。 特別なドラマは起こらなくても、飛行場のある街に住んでいるのは、実際にかなり素敵なのである。
by rystail
| 2005-05-20 23:03
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