|
2006年 01月 05日
『新年造園人の集い』という会が赤プリのクリスタルパレスであった。
それにしても、赤坂プリンスに対する社会の認識がどうも分からない。 たしか、ヨン様騒動のあったのは、このホテルのような気がするし、他にも有名人や政治家がよく使っているように思う。宿泊代も決して安くない。 設計は世界の故・丹下。首都高を走っていてもその存在感は十分だ。 しかし、一歩ロビーに足を踏み入れる。白い大理石とステンレスのバブリーな印象。なんとも時代遅れではないか。こういう時流をダイレクトに経験していない世代のみが感じる違和感なのであろうか。決して格調が高いというような雰囲気ではないと感じる。 さらに、この日、会の催されたクリスタルパレスがすごい。こんなことでもないと、絶対に足を踏み入れないところだと思う。高い天井はその名のとおり水晶の柱が垂れ下がるように、高さが段々に変わっている。この雁行したクリスタル柱のつくりは、ホテルの外観からも特徴的だ。客室の高く伸びる角柱の足元がこのホールということになる。 側面はすべて鏡で覆われ、出入り口は、まるで「ザ・ベストテン」の歌手が登場する扉のように、人が通るたびに、キラキラ光が反射していた。 黒川紀章が「二人の丹下」と呼ぶように、この時期の彼の作品は、代々木や東京カテドラルの作風からはまったく想像もできないような質感を持つ。70年のエキスポ以降は、彼の視線は全く海外(特に途上国)に向けられていたからかもしれない。砂漠の国の首都計画などはまさに偉大な仕事であったに違いない。しかし、国内では、自らの事務所が入っていた草月会館でさえ、見せ場はイサムノグチのホールだけのような気がする。(赤プリのロビーはこれが想起される)ホテルもオフィスビルもどれも今ひとつ振るわない。 しかしながら、赤プリは人気のホテルだ。その巨大な会場を何百人とぎっしりの「造園人」が埋め尽くした。それでも、今年は少ない方だったそうだ。たくさんの方とお会いできたが、ゆっくり話を聞けるような雰囲気ではないのが残念だ。つまるところは、大量の自分の名刺がなくなり、後には、大量のいろんな名刺が名刺入れに残った。いろいろと貴重な体験であることは確かである。
by rystail
| 2006-01-05 23:12
| LANDSCAPE
|
ファン申請 |
||