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2005年 10月 17日
何も、女優やアイドルの話ではない。
4ヶ月になる息子の生きていく術は今のところ、この“可愛さ”のみである。 生まれたての頃は、可愛さよりも何かあやうさのようなものから受ける感情によって、守ってあげなければいけないと思わせていたが、最近では、立派な赤ちゃんとしての存在を前面に押し出して、毎日、力強く生きている。 さくらももこの「そういうふうにできている」(このタイトルのもとは糸井重里がラーメン屋で書いた色紙によるものらしい。さすがにいいコピー。ちなみにその色紙には糸井重里の言葉とさくらももこによる小さな丸い顔のイラストが書かれている。なんとも羨ましいラーメン屋さんである。)は、妊娠から出産にまつわるエピソードのエッセイ集であるが、そこで彼女は「子供の体には、いたるところに親の愛情を湧かせるための起爆剤が地雷のように仕掛けられており、日常のあらゆる瞬間の表情やしぐさ等、こちらが“可愛い”と思うように最初から作られている」と書いているが、まさに最近「そういうふうにできている」なあとしみじみ思う。 少しでも自分の都合が悪くなると大声で泣き喚くし、大きな音でゲップもすればオナラもする。自分では何ひとつできないくせに、要求だけは山のようにする。片時も予断を許さない、はなはだ憎たらしい振る舞いの数々も、すべては可愛さがこれを許させてしまう。それどころか、少しも放っては置けない気持ちになってしまうのである。 そんな彼の特徴と言えば、全体にちっちゃくて、丸っこい(これが大きくて角ばっていたら、カッコいいと思う可能性はあるが、決して可愛いとは思えない)。 身体の割合いに比してあたまが大きく、手足が短い(もしも12頭身で手足がスラリと長い赤ちゃんだったら、嫉妬してしまうに違いない)。 あたまの下のほうに顔のパーツが集中している(そのせいで顔はものすごく小さく見える)。 大人の自分と同じ身体のパーツが付いていて、そのすべてのサイズが小さい(やっぱり同じものが付いているから親近感が湧くのであって、これが昆虫の幼虫のように全く違う生き物だとしたら、おそらくここまで可愛いとは思わないのではないか)。 (人間の赤ちゃんなので当たり前と言えば当たり前であるが)人間らしいしぐさをする(指を指す。あくびをしながら顔をこする。ものをつかむ)。 「あああー」「あくぅー」などと話しかける(本人はもうこちらの言葉をすべて理解しているかのように話すが、全くしゃべれていない)。 (顔を合わせれば、女の人限定で)笑いかける(妻はこれを社会貢献活動と呼んでいる)。 などなど、彼の存在そのものが、もう、すべて計算されつくされて作られたものなのである。 これで彼は明日からも十分に生きていけるのである。
by rystail
| 2005-10-17 00:00
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