カテゴリ
以前の記事
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2005年 08月 06日
国土総合開発法の改正法案が可決された。これにより、国土総合「開発」計画は国土「形成」計画へと移行される。
また、国土交通省は社会資本整備審議会に「新しい時代の都市計画」を諮問した。人口減少を考慮した新しい都市計画制度が検討されはじめたことになる。 いよいよ国の政策も、人口減少を視野に入れはじめた。 (新)都市計画も全総も、ともに60年代にスタートした計画である。都市や建築分野における「計画論」に関する有用な(興味を持つ)書籍は、この時代のものが圧倒的に多い。戦後のハングリー精神と、未来への希望を持った自由な時代背景のもと、「つくる」ということの意味が本当に真剣に議論された時代なのだといつも羨ましく思う。 高度成長期に誕生したこれらの計画は、開発圧の抑制に主眼を置きつつ、地域格差の是正や土地利用の混乱を防ぎながら、いかに「開発を行うか」がその命題であった。 現在の僕らの「計画」に対する考え方も、未だにこの時代につくられたものに頼っている部分が大きいが、今回の政策の転換は、オイルショックの影響や地方分権の流れに比しても、大きな節目となりそうである。 放っておけば混乱を来たすという、「計画」の必要な状況に変わりはないが、その要因は大きく変わりつつある。 規制することで秩序を保つことから、規制緩和による活性化を図る手法の時代までは「開発」が計画対象のベースであった。「まちづくり交付金」などの地方立案の施策体系においても、結局は中央政府が事業のために税金を分配するという仕組みは変わって来ていない。事業の実施を伴わなくても、国民の生活を豊かにするための仕組みは存在するだろう。 今後は、これまでにつくり上げてきた既存ストックの活用や利用の促進といった「開発」外の(非土建国家としての)モティベーションによる計画論が求められる。既存の仕組みによるガンジガラメノの状況や、どことなく閉塞感の漂う時代背景こそ違え、僕らの世代に再び「計画論」を面白くするチャンスが回ってきていることは確かなようである。
by rystail
| 2005-08-06 13:59
| LANDSCAPE
|
ファン申請 |
||